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防砂シート引込軽減工法



防砂シート引込軽減工法問合せ先
有限会社キシムラ   岸村直登   045-831-9798
太陽工業株式会社   山本浩二   03-3714-3425
大嘉産業株式会社   椛澤竜生   03-6716-0888
はじめに

ケーソン式護岸や岸壁などの港湾施設では、一般に堤体背面に投入される裏込石の上に防砂シートを敷設し、埋立土砂(裏埋砂)が裏込石内部に吸い出される(流出する)のを防いでいます。しかし、この防砂シートの損傷が原因となり埋立土砂の吸い出しによる空洞化や陥没などの被災事例が発生し問題となっています。

これに対し 防砂シート引込軽減工法は波や風などの自然現象や段階的に埋め戻す際などに起こる 防砂シートへの引張応力と伸びの累積を緩和する為の補助工法として物理的な損傷を抑制します。


防砂シートの選定と実証実験

現在に至るまで、裏込石の上に敷設される防砂シートは、各社、「港湾の施設の技術上の基準・同解説」に示される規格を満たし、かつ数々の土砂投入による載荷実験を行い、引張強さ・伸びのバランス(カテナリー式)を考慮した上で、損傷しない防砂シートを選定してきました。

※裏込石にて不陸±70cmを想定したマウンド(約2m幅)にハンモック状態になった防砂シートへ直接土砂投入(載荷)し、防砂シートの損傷等を確認するなど。


載荷実験断面例

なぜ防砂シートが損傷してしまうのでしょうか?

全国幾例か防砂シートが破断した場合の主な原因と今後の補助的対策案
防砂シートが破断してしまう主な原因としては、①波や風のバタつきでの裏込め石の突起との接触摩耗、②シートへの付着物等の重量増加や潮の満引き時の浮き沈み、埋立土砂投入時に下方へ引き込まれる際における裏込め石の突起による損傷がある。(潮の影響を受ける理由として、敷設当初はシートが透水性を有するため潮の影響は少ないが、浮遊物・付着物により目詰まりを起こし板状態(遮水)になる事は「シートが息をする」との事で知られている。) また埋立時において、法面下部はシートが充分に伸びないまま中部・上部のシートの伸び代を少しずつ使ってしまうため、③埋立初期段階から防砂シート全体が下方に引き込まれることになり中部・上部のシートは伸度が不足する状態(伸度に余裕のない異常緊張)となり破断する。




上記の理由も含め、防砂シートが引き込まれることによる損傷・破断の一例を図で示す。 まず、シート表面に円を描き下部に赤色のポイントを印す(図1)。ここからシートが引き込まれるとき、シート上部が固定されている状態でもシート自体が伸びることにより記された赤色ポイントは下方へ移動する。仮に敷設時に赤色ポイントを固定位置から5mの位置に印した場合、シート縦方向の伸度を100%とすれば、この引き込みが徐々に累積し最大10mの位置まで引き込まれると同時に、シート縦方向には最大の引張力(異常緊張)が作用する(図2)。 裏込め石の不陸への対応においては防砂シートの伸度は有意に機能する。他方、例えば至る箇所で裏込め石の突起部に防砂シートが引掛かり、前述の状態が生じてシートが更に引き込まれると裏込め石がナイフの様な働きをし、複数箇所で大きく損傷する可能性が高い(図3)。 また、実際はこれに横方向の引張・引込も加わるので 更に大きく損傷する可能性があるため適切な対策が必要と考える。

防砂シートが下方へ引き込まれるメカニズム

【埋立土砂投入前】
  1. ケーソンに防砂シートをフラットバーとアンカー等で固定した後、海中に設置する防砂シートは、本体重量や施工上の防砂シートを沈める行為により下方へ引き込まれます。
  2. 防砂シート上部は波や潮位差の繰り返しにより下方へ引き込まれ、また中・下部は外側からの波の影響により吹き上がり、その後の沈降により下方へ引き込まれます(特に付着物により防砂シートの重量が増すと、吹き上がり後の沈降は早まり、より強く下方へ引き込まれます)。
  3. 海水に含まれる浮遊物は、当然、潮流の影響が少ない防砂シート下部から沈殿していくため、下方へ引き込まれます(なお、途中に小段のような所に浮遊物が沈殿し溜まっても、その上方の防砂シートは同様に下方へ引き込まれます)。

    【埋立土砂投入時】
  4. 防砂シートは土砂を投入した際に土砂の重みで下方に引き込まれます。


このように防砂シートは、埋立土砂投入前(①〜③)から下方に引き込まれます。また、埋立土砂投入時(④)は、投入した土砂の重みで防砂シートは下方に引き込まれ、徐々に伸び切った上方の防砂シートにはシート特有の柔軟性は無くなります。 この状態で法肩部の裏込石や法面途中の先鋭部に防砂シートが引っ掛かると、引張強度よりも小さな力で引裂きによる損傷が発生します。 さらに、引張強度を超える引張力がシート上方に累積した状態では、防砂シートは上載荷重に耐えられず破損してしまいます。



「防砂シート引込軽減工法」とは

【引込軽減工法の特徴①】

防砂シート引込軽減工法は、約1.7m角の格子状ワイヤー節点部に結束部材でシートを取付けることでシートに作用する引張力を各節点部に荷重分担させ、 シートの変形範囲を制限し上下左右へのシートの引き込みを抑制する。これにより、石の突起でシートに穴が開いた場合でも穴の拡張が抑制される(図4・図5)ので 図3の様な 防砂シートとしての機能が完全に失われる事は無い。

加えて、防砂シート上に埋立土砂等を投入し土圧がかかると、シートが破断する前にワイヤー節点部の結束部材が外れる仕組みにより、引き込みが抑制されたシートは本来の伸び性能を充分に生かすことが出来るので裏込め石の不陸に適応できる。


当工法において使用する防砂シートの指定は無い。当該現場に適した(カテナリーの計算〔伸度と強度のバランス〕をクリアされた)シートであれば当工法が適用できる。また 防砂シートの連結も ワイヤーとワイヤーを結ぶので 水中での連結が容易になる。プラス ダイバー作業が難しい場合でもジョイント部がワイヤーにて 片方に引っ掛けの様な治具を取り付け重ねると 防砂シートが横方向に動いた時に自動的にジョイントされる事が可能となる

また 防砂シート敷設後に長期間埋立てが行われない場合は水面上のシートは紫外線劣化を考慮(水面下は付着物等により紫外線が遮断されるので考慮は不要)する必要がある点は一般的な工法と同様であるが、当工法では引き込みによるシート破断が大幅に抑制され、かつ上部のワイヤー網によりシートのバタつき等を抑える効果が期待出来るので その他紫外線対策の検討も可能となる。

但し 台風他異常気象時 施工初期から波風等の影響を強く受ける可能性がある場合と 紫外線他水面上シートの対策なしで 埋立てまでの期間が5年以上のような更なる長期となる計画の場合、水面上は裏込め石の崩れ防止のワイヤー網のみ、防砂シートは当初は水中部のみの敷設とし、埋立完了間近のタイミングで水面上部のシートを敷設する事を推奨する。

防砂シートにおける引込軽減工法の実証実験 東京湾港湾施設内における
防砂シート引込軽減工法実証実験報告書

防砂シートのフラッタリング損傷対策に関する効果検証

国土交通省港湾局/国土交通省国土技術政策総合研究所『港湾工事における“新技術カタログ”』(抜粋)

【引込軽減工法の特徴②】


もう一つの特徴は、引込軽減工法では、防砂シートを直接ケーソンに固定するのではなく、網状のワイヤーロープ等をケーソンに取り付けたD環等に繋ぐ構造となるため、防砂シートは水中部のワイヤーロープ等に結束設置することが可能です。このように、水上部に防砂シートが露出しないため、波や風の影響で発生するフラッタリングによる損傷や紫外線劣化を心配することはありません。
防砂シート水上部は、埋め立てが最終段階に近づいてから上部の防砂シートを設置することで対応が可能です。

尚 実験での防砂シートの大きさは 作業の問題から金網等の一辺1mとしましたが 実際は2m角になります。(一辺3m以上となると 破断するジョイントからの支点間距離が長すぎて 引張力が偏り 他のジョイントへ均一に分散されない可能性があるのでNGと致します)


【東京湾港湾施設内における防砂シート引込軽減工法実証実験 5か月後の状況】
対策あり
 
対策なし
 
対策あり
 
対策なし
 
今回の現場は 裏込め石がユニットに入っているのでシートが直接石に当たらない事と水面下が殆ど無く 波や潮流の影響を受ける事が無い事、 また通常と違い 一つの個体が(ユニット)約1×2×2以上と大きく敷設前の写真からも分かるように 凹凸が通常より遥かに大きい事から 先に埋立土を小段上部にのせてから下部への引込対策が出来たので 防砂シートが破断する要因は少ないが 逆に 埋立方法の対策をしないとシートの引込はかなり強くなるので この工法実験としては過酷な条件の現場となった。

それでも 引込軽減工法を対策した防砂シートには埋立土投入対策せず通常通りの方法で施工を行ったが強い引込が掛かる事無く 天端のシートはある程度 均一に敷かれた状態を継続。引込軽減工法対策なしの防砂シートは 埋立土投入方法の対策を行っても強く引っ張られている部分と何もテンションが掛かっていない部分との差が大きく 通常の現場であれば外的要因によってはバタつき引込などから破断の可能性が高くなる様に思えた。

また引込軽減工法対策あり防砂シートは 此の実験で 横ワイヤーも 裏込め石突部に引掛かりシート全体 下部への引込の力の分散化をしている事を確認済み(写真の外れているワイヤーは使用しなかった横方向のジョイント用ワイヤーにて問題なし) ワイヤーアイ加工の状態から(まだ丸みを帯びている事)この引込に関して過酷な条件でも強くもなく弱くもなく 良い状態で上部の防砂シートを抑えている事が確認出来た。

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