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防砂シート引込軽減工法
はじめに

ケーソン式護岸や岸壁などの港湾施設では、一般に堤体背面に投入される裏込石の上に防砂シートを敷設し、埋立土砂(裏埋砂)が裏込石内部に吸い出される(流出する)のを防いでいます。しかし、この防砂シートの損傷が原因となり埋立土砂の吸い出しによる空洞化や陥没などの被災事例が発生し問題となっています。

これに対し 防砂シート引込軽減工法は波や風などの自然現象や段階的に埋め戻す際などに起こる 防砂シートへの引張応力と伸びの累積を緩和する為の補助工法として物理的な損傷を防止します。


防砂シートの選定と実証実験

現在に至るまで、裏込石の上に敷設される防砂シートは、各社、「港湾の施設の技術上の基準・同解説」に示される規格を満たし、かつ数々の土砂投入による載荷実験を行い、引張強さ・伸びのバランス(カテナリー式)を考慮した上で、損傷しない防砂シートを選定してきました。

※裏込石にて不陸±70cmを想定したマウンド(約2m幅)にハンモック状態になった防砂シートへ直接土砂投入(載荷)し、防砂シートの損傷等を確認するなど。


載荷実験断面例

なぜ防砂シートが損傷してしまうのでしょうか?

防砂シートの損傷要因は様々ですが、大別すると主に以下に示す2つの要因により引き起こされると考えられます。

1. 防砂シートは波や風の影響で発生するフラッタリングによる損傷
防砂シートは埋立土砂の投入で安定するまでは、波や風の影響によりフラッタリング(ばたつきや揺動)を引き起こし、裏込石の先鋭部との摩耗により損傷することが確認されています。

2. 防砂シートに作用する下方への引張力(引き込み)による性能低下による損傷
防砂シートが下方へ引き込まれるメカニズムは以下のとおりです。

【埋立土砂投入前】
  1. ケーソンに防砂シートをフラットバーとアンカー等で固定した後、海中に設置する防砂シートは、本体重量や施工上の防砂シートを沈める行為により下方へ引き込まれます。
  2. 防砂シート上部は波や潮位差の繰り返しにより下方へ引き込まれ、また中・下部は外側からの波の影響により吹き上がり、その後の沈降により下方へ引き込まれます(特に付着物により防砂シートの重量が増すと、吹き上がり後の沈降は早まり、より強く下方へ引き込まれます)。
  3. 海水に含まれる浮遊物は、当然、潮流の影響が少ない防砂シート下部から沈殿していくため、下方へ引き込まれます(なお、途中に小段のような所に浮遊物が沈殿し溜まっても、その上方の防砂シートは同様に下方へ引き込まれます)。

    【埋立土砂投入時】
  4. 防砂シートは土砂を投入した際に土砂の重みで下方に引き込まれます。


このように防砂シートは、埋立土砂投入前(@〜B)から下方に引き込まれます。また、埋立土砂投入時(C)は、投入した土砂の重みで防砂シートは下方に引き込まれ、徐々に伸び切った上方の防砂シートにはシート特有の柔軟性は無くなります。 この状態で法肩部の裏込石や法面途中の先鋭部に防砂シートが引っ掛かると、引張強度よりも小さな力で引裂きによる損傷が発生します。 さらに、引張強度を超える引張力がシート上方に累積した状態では、防砂シートは上載荷重に耐えられず破損してしまいます。


「防砂シート引込軽減工法」とは

防砂シートは、「技術上の基準」の規格値を満たし、かつ載荷実験により引張強さ・伸びのバランス(カテナリー式)を考慮して選定されてきましたが、そこには「防砂シートに作用する下方への引張力(引き込み)の累積」は考慮されていません。

そこで考案したのが、「防砂シートの引込軽減工法」です。




【引込軽減工法の特徴@】
引込軽減工法は、防砂シート上面にワイヤーロープ等で格子状に網を張り、その交点に防砂シートを結束して支えます。
最大の特徴は、結束部強度が防砂シート本体強度より弱く、結束部の破断強度以上に荷重が作用した場合に防砂シートが損傷せずに外れる仕組みになっていることです。なお、結束部は土砂投入時のシートに作用する引張力を分散し(ジョイントテープの破断が他のジョイントテープに連鎖しない)、上方の防砂シートが引き込まれません。

このように引き込み軽減工法は、防砂シートに作用する引張力を抑制することで、荷重の作用していない部分のシートは、これまでの計算(引張強さ・伸びのバランス(カテナリー式))や実験で確認された柔軟性を維持することが出来るため、様々な特徴を持った防砂シートを対象にその性能を最大限に引き出すことが出来るようになります。






【引込軽減工法の特徴A】
もう一つの特徴は、引込軽減工法では、防砂シートを直接ケーソンに固定するのではなく、網状のワイヤーロープ等をケーソンに取り付けたD環等に繋ぐ構造となるため、防砂シートは水中部のワイヤーロープ等に結束設置することが可能です。このように、水上部に防砂シートが露出しないため、波や風の影響で発生するフラッタリングによる損傷や紫外線劣化を心配することはありません。
防砂シート水上部は、埋め立てが最終段階に近づいてから上部の防砂シートを設置することで対応が可能です。

尚 実験での防砂シートの大きさは 作業の問題から金網等の一辺1mとしましたが 実際は2m角になります。 (一辺3m以上となると 破断するジョイントからの支点間距離が長すぎて 引張力が偏り 他のジョイントへ均一に分散されない可能性があるのでNGと致します)


防砂シート引込軽減工法問合せ先
有限会社キシムラ   岸村直登   045-831-9798
太陽工業株式会社   山本浩二   03-3714-3425
大嘉産業株式会社   椛澤竜生   03-6716-0888

【実験写真(対策あり・対策なし 比較実験)】




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